のどの病気 頸部リンパ節炎・頸部嚢胞

症状と原因

症状

首の両側には、多くのリンパ節があります。その部分が腫れる病気を総称し「頸部リンパ節炎」と呼んでいます。痛みがある場合、ない場合があります。

また、頸部嚢胞とは、頸部の内側に液体成分が充満して、腫れたように見える病気です。

頸部リンパ節炎、頸部嚢胞のいずれにも、まれにリンパ節転移など悪性の疾患も隠れていることがあるため、注意して取り扱う必要があります。

原因

リンパ節炎では、ウイルスや細菌の感染が大きな原因として挙げられます。

嚢胞の原因は、胎児期までさかのぼる先天性の疾患です。甲状腺ができはじめ、舌の奥に甲状腺が完成する際に、細い管が一時的に作られます。この「甲状舌管」という細い管は、甲状腺完成と同時になくなるのですが、なくならずに残ると嚢胞になると考えられています。

当院での主な治療法

腫れた痛みを伴う急性リンパ節炎は、抗菌薬や消炎鎮痛剤を投与し、1〜2週間で回復します。

また、結核を原因とする結核性リンパ節炎は結核に対する治療が必要です。

嚢胞は、悪性ではないため大きい、あるいは痛みが強い場合、一般的に手術による嚢胞の摘出が行われますが、小さい場合は薬剤注入、穿刺吸引し、経過観察することもあります。

ごくごくまれですが、その他の重い病気が隠れている可能性もあります。検査結果ならびに最終診断が得られるまでは十分に注意しましょう。

使用する主な機器

  • 血液検査

    血球計数器を使った血液検査では、細菌の有無が3分で分かります。さらに専用のキットにより、炎症の原因細菌を早期に特定します。

  • 耳鼻科領域専用CT

    耳・鼻・のどを撮影する専用のCTを導入しました。より専門的な検査ができるうえ、被ばく量・かかる料金も少なくなります。

  • 超音波検査

    甲状腺や頸部リンパ節の異常所見を探すのに有用です。痛みもなく小さなお子様でも検査可能です。