耳の病気 突発性難聴・急性感音性難聴

症状と原因

症状

(1)突然に発症し(2)原因不明で(3)音がほとんど聞こえなくなる疾患を「突発性難聴」といいます。「突然」というのは、テレビを見ていたら急に音が聞こえなくなったというほど突然です。難聴と同時に耳鳴りや、めまいの症状が出ることも。ほとんどの場合、片耳のみに耳閉感があります。

症状が重症でなければ発症後すぐに治療を開始することで回復がかなり期待できます。難聴の症状が発生してから治療開始まで2週間以上経過すると治療しても反応せず、聞こえにくい(聞こえない)状態が固定してしまう症例が多いため、耳の聞こえにくさを感じた場合はできるだけ早く治療を開始することが極めて重要です。

また、急性感音性難聴では「小さくて聞こえない」範囲が広がり、音がぼやけたようになり、サ行やガ行が聞き取りにくくなります。

原因

突発性難聴の原因はまだ明確には解明されていません。

ただ最近の研究では、聞こえの神経への血流障害やヘルペスウイルスによる障害が原因になっているのではないかと考えられています。

当院での主な治療法

点滴治療

炎症を取り除くため、ステロイド剤を中心に、血の巡りをよくする薬や耳の細胞を活性化する薬などで治療を行います。
重症例や難治例には入院のうえ、高圧酸素療法などを併用しますが当院ではステロイド+プロスタグランジン製剤の点滴を併用して治療効果を上げています。点滴治療の場合は毎日通院していただくことをお願いしています。

漢方処方

原因が確定できない難聴においては、漢方薬を使うのも一つの方法です。当院では、耳鳴りや難聴など、原因がはっきりしない耳の病気に対する漢方薬を処方しています。

プラセンタ療法(自費診療)

プラセンタとは胎盤のこと。人間自身が持つ、自分でケガやトラブルを治そうとする力を強化するプラセンタ注射は、医療機関でも広く使われています。めまいや耳鳴り、神経性難聴への治療効果が期待できるとされています。

プラセンタ注射は、保険適応外です。また、安全性は確立されていますが、「特定生物由来製品」のため、注射同意書への署名が必要です。

使用する主な機器

  • オージオメータ

    どれだけの音が聞こえているかを検査する機器です。音の大きさ、周波数などにより聞こえる範囲の音域を確かめ、治療方法の指針とします。

  • フレンツェル眼鏡

    内部に小さな電球がついた眼鏡。急激に頭を動かした時の眼の動きなどを観察し、めまいの発生状況および病変部位を確かめます。

  • スーパーライザー

    近赤外線を頸部の星状神経節に照射し、突発性難聴や感音性難聴、メニエール病、耳鳴症、顔面神経麻痺などを緩和する治療です。痛みはほとんどなく、5〜7分程度の治療時間です。