耳の病気 真珠腫

症状と原因

症状

真珠種性中耳炎の一例

鼓膜の一部の角化した皮膚が、内部にデブリと呼ばれる剥離物を伴って中耳に侵入し、積み重なった状態を真珠種といいます。腫瘍ではありませんが、進行すると周りの骨を破壊して大きくなり、難聴、めまいや顔面神経麻痺など重篤な合併症を引き起こす恐れもあります。

ごくごくまれですが、頭蓋骨内に影響が及ぶと髄膜炎や脳膿瘍など致死的な病気につながるケースも見られます。

原因

鼻をすすることや中耳機能の悪化によって発症しますが、先天的なもの、原因不明の場合も少なくありません。鼓膜が奥に引き込まれて、そこに上皮(皮膚の表面)の剥離物が積み重なって起こります。

当院での主な治療法

聴力検査、眼振検査、CTなどで総合的に判断します。完全に治すには手術によって真珠腫を摘出する必要があり、関連病院への紹介となります。

使用する主な機器

  • オージオメータ

    どれだけの音が聞こえているかを検査する機器です。音の大きさ、周波数などにより聞こえる範囲の音域を確かめ、治療方法の指針とします。

  • フレンツェル眼鏡

    内部に小さな電球がついた眼鏡。急激に頭を動かした時の眼の動きなどを観察し、めまいの発生状況および病変部位を確かめます。

  • 耳鼻科領域専用CT

    耳・鼻・のどを撮影する専用のCTを導入しました。より専門的な検査ができるうえ、被ばく量・かかる料金も少なくなります。